
代表取締役社長
滝川忠宏
半導体製造プロセスにおける光学技術および検査技術の分野において、長年にわたり第一線で活躍してきた専門家で、Photomask Japan 2023では顧問委員会の委員長を務めるなど、業界の権威として認知されています。
著書に『Gビット時代へのリソグラフィ技術』、『ULSIリソグラフィ技術の革新』などがあり、技術者・研究者への影響も大きく、次世代技術への洞察にも優れています。
1974年に東京大学より理学博士号を取得後、東芝にて半導体分野の研究開発に従事。その後、NuFlare Technologyをゼロから立ち上げ、Brion、ASMLといった先端企業において、要職を歴任し、技術革新をリードしてきました。
2011年、ALITECS株式会社を設立。これまでに培ってきた豊富な経験と知見を活かし、日本発の技術で世界に挑戦し続けています。
1. 世界の流れと半導体産業の重要性
高度情報化社会に向けて、デジタル技術は目を見張る発展を遂げています。いずれ、コンピュータの性能が人間の知能に追いつくと予測されています。ChatGPTが現れ、ますますそれが近いことを感じざるを得ません。
高度情報化を支える重要産業は半導体です。ところが、ここ30年にわたり、日本の半導体産業は世界トップ集団から脱落し、今や大きく遅れを取っています。これが日本経済の長期低落の大きな原因になっています。
その一方で、数年前から、世界主要各国による半導体産業の支援が始まっています。それは、半導体産業の強化が一国の経済繁栄に直結するという認識が広まったからです。
日本では、政府主導で寸法指標2nmの超先端半導体を生産するべくRAPIDUSが設立され、早期稼働をめざして懸命な努力が払われています。
2. ALITECSの目標
日本の半導体製造装置産業は強かったのですが、ソフトウェア技術が欧米と比較して大変弱く、それが一つの大きな理由となり、日本の半導体産業とともに衰退していきました。
ALITECSは、純粋なハードに関する技術と同時に、装置の物理を理解し、数式化し、装置を最適に稼働させる、あるいは補正して性能を向上させる、ソフトウェアに強い半導体製造装置技術を開発し、参画した分野で世界トップを目指します。
3. 事業方針
半導体製造装置の中で、もっともソフトの比重が高いのはマスク欠陥検査装置です。まず、ALITECSはハードウェアに強い半導体検査装置メーカーとパートナーシップを構築し、最新の検査ソフトを装備した計算機検査システムを提供するビジネスモデルの確立を目指します。
ALITECSは、日本の半導体産業が衰退していた時期に設立されました。私たちは、日本に強みが残っているレガシー分野からスタートし、組織的・経済的・技術的な力量を高め、最先端のハードと計算機技術を融合した先端分野で成長し、世界に通用する事業を作りたいと考えています。